Four L consultant's blog

4つのLを大切にするキャリアコンサルタントです

「日本を元気にしたい」「笑顔を届けたい」系

 志望先の業種や職種にもよりますが、就活生の志望動機で
 「日本を元気にしたいからです」
 「みんなに笑顔を届けたいからです」
などの文言を見聞きすることがあります。私も模擬面接などで、特に女子学生がキラキラした笑顔でこう話す場面に、幾度となく立ち会いました。

 実際に企業で採用担当をしていた頃、下記のような応答がありました。業種は広報・PR業で、職種はAE職(アカウントエグゼクティヴ;一般的には営業職同様です)でした。

私 「この業界を志望した理由は何ですか?」
学生 「広報・PRを通じて、まだ認知度の低い良いものを世の中に知らしめて、世界の多くの人を幸せにしたいからです」
私 「そんなに大上段に構えなくても、自分の仕事によって、周囲の身近な人が幸せになれれば、それで十分ではないでしょうか?」
学生 「いえ、そういう誰もができる感じではなく、もっとこう、やりがいを…」
私 「身近な人を幸せにすることは、貴女にとって誰でもできる手軽なことなんですか? 私はそんなに簡単ではないと思いますが、いかがでしょう?」
学生「…(沈黙。やがて号泣)」

 号泣してしまったインパクトは大きかったのですが、それ以外の部分では十分に優秀さを感じ取れていたので、人事としての面接は通過させて、あとは役員面接次第となりました。

 役員面接には、私は人事(事務方)として同席するのですが、最後に1分間のフリートークの時間をあげたら、
 「面接で泣いてしまい恥ずかしかったけれど、確かに身近な人を幸せにすることは、そんなに簡単なことではないことに気づかされて、かえって感謝している」
と言ってくれて、泣かしてしまった罪悪感から救われました。

 彼女は無事入社し、活躍してくれましたが、会社の器が小さすぎたのか、日本語学校を現地に設立するために東南アジアの某国に飛び出していきました(今は帰国し、結婚・出産を経て、編集者として頑張っています)。

 下記の記事を見かけたことから、今回はこんなブログになりました。

president.jp