Four L consultant's blog

4つのLを大切にするキャリアコンサルタントです

何年後か、何十年後かに

 今年で東日本大震災から9年が経過しました。阪神淡路大震災からは四半世紀経過ということで、この2つの大震災については、1月にこのブログでも言及しました。

 9年前の出来事が、ほんの9ヶ月前のようにも、遠く19年前のようにも、そのどちらにも感じられるような、時の流れの不思議さを感じます。
 本来であれば、今夏はクラウドファンディングで整備資金を寄付した復興祈念公園を訪ねる予定でしたが、その進捗状況も聞こえてきません。

 

 ざっくり人生を80年として、私の祖父母世代が関東大震災、父母世代が第二次世界大戦という悲惨な災いを体験してきました。
 私自身の世代はどうかというと、まさしく高度経済成長期の、東京オリンピック大阪万博に沸く時代に生まれ育ち、就職活動の時はバブル真っ只中、もちろん個人々々には様々な紆余曲折はあるにしろ、世代的にはとても恵まれていたと感じます。

 

 そして、25年前というと私は社会人7,8年目で、その年は前述の阪神淡路大震災の他にも、地下鉄サリン事件も発生しました。私は当時も今も東京在勤ですが、阪神地震は朝テレビのニュースで初めて知ったほどでしたし、サリン事件もこの地下鉄路線は通勤経路ではなく、被害はありませんでした。

 運良く大災害を掻いくぐってきて、ブラックマンデーリーマンショックなどのある意味経済的災害も直接的な被害を受けることなく、人生の折り返し地点周辺まで来た時に、東日本大震災に遭遇しました。
 とはいえ、これもまた、友人の親族が数日間行方不明になったこと(結局無事でした)、発生時は都心にいて、真夜中まで長時間の徒歩での帰宅を強いられたこと程度の被害で済みました。

 

 しかし、今回の新型コロナウイルス禍は違います。全世界的な流行であり、いつ収束するかも誰もわからない、逃げ場のない未曾有の事態です。

  人生100年時代とか、諦めたらそこで試合終了とか、今が一番若いとか、すべて真実ではあるのでしょうが、そうはいっても、正直この歳になってからジタバタしても仕方のないことはありますし、時の流れを巻き戻せないことも紛れのない真実です。


 私自身はそれでよい、というか、受け入れざるをえないにしても、これから社会に出る人や家庭を持とうとする人、キャリアを積んでいこうと考えている人、等、まだまだたくさんの可能性を持っている若い人達にとっては、本当に大変な時、耐え忍ばざるをえない時だと思います。
 ただ、裏を返せば、この苦難の時を乗り越えた後には、大きなパラダイムシフトが起きることは間違いありません。そこには未知の、大きな可能性が広がっていることと思います。

 

 私は企業勤めだった頃、上場のために新しい業務が増えるたびに担当させられたり、複数の役職を兼務させられたりするたびに、「なんで自分ばかり」と不平不満を述べていましたが、今、振り返ってみると、その時の経験は自身のキャリア形成上、とても大きな財産になっています。 

 この時期を乗り越えたパラダイムシフト後の世界の、何年後か、何十年後かに、「あの新型コロナウイルスの頃は大変だった」と、皆さんが回想できるように、今、この瞬間に老兵キャリアコンサルタントとして、どのような貢献ができるのだろうか、と自問する日々が続いています。

 

 皆様もくれぐれも健康に留意して、ご自愛の程を。